ランクを上げたくてプロと同じキーボードを真似したいけれど、結局どれが一番良いのか知りたい。と感じていませんか。
大会の配信を見て小さなキーボードを使う選手が多いのは知っているものの、自分のデスクやプレイスタイルに本当に合うのか不安な人も多いはずです。
筆者はこれまでに多くのゲーミングキーボードや周辺機器をレビューしてきており、VALORANT向けのモデルも複数使い比べてきました。
この記事ではプロシーンで支持されているキーボードの特徴を整理しつつ、競技向けに重視すべきポイントを分かりやすく解説します。
記事を読み進めることで、プロに愛用者の多いキーボードや自分のデスク環境に合った条件がはっきりし、どのように選べば失敗しにくいかが理解できます。
結論として、プロシーンで実績のある高速入力対応キーボードを軸にしながら、自分のプレイスタイルに合うサイズと配列を選ぶことが最も効率的です。
競技シーンはWOOTINGの独擅場

VALORANTプロのキーボード事情
VALORANTの競技シーンでは、少し前までは標準的なメカニカルキーボードが主流でしたが、現在はラピッドトリガー搭載キーボードが標準装備に近い存在になり、その中心にWOOTINGシリーズが位置しています。
直近の国際大会データを見ると、プロ選手のキーボード使用率はWOOTING 60HEが半数以上を占めている状況です。
さらにWOOTING 80HEも含めると、合計でおおよそ7割近くをWOOTINGが占有するケースも確認されています。
数字だけを見ると、競技シーンにおけるキーボードはWOOTINGの独擅場といった状態です。
もちろん、Razer Huntsman V3 ProやSteelSeries Apex Proなど、ラピッドトリガー対応の競合キーボードも多く使われています。
ただし、全体シェアではWOOTINGシリーズの占有状態で、「迷ったらWOOTING」と言えるレベルの浸透度になりつつあると言えるでしょう。
この背景には、一体何があるのでしょうか?
プロ選手が同じブランドを選ぶ理由は、単なる流行ではなく、競技で結果を出すために必要な性能が揃っているはずです。
Wooting 60HE+が評価される理由

WOOTING 60HE+は、VALORANTプロ使用率がもっとも高い60%レイアウトのキーボードです。
コンパクトなサイズによってマウスの可動域を広く確保できるため、ローセンシプレイヤーとの相性が良好だと言えるでしょう。
最大の特徴は、各キーのストロークを0.1mm単位で検出するアクチュエーショポイントと、ラピッドトリガー機能の組み合わせです。
キーを押し込む深さでオンオフの位置を調整できるため、入力開始も入力終了も非常に早くチューニングできます。
VALORANTでは、ストッピングの精度がエイムと同じくらい重要です。
ラピッドトリガーによって離し入力の反応が速くなると、移動しながらの射撃でもブレを抑えやすくなり、ヘッドショットを狙いやすい状態を作れます。
また、WOOTING専用ソフトウェアでプロファイルを細かく保存できる点も魅力です。
配信用のキーバインドとランク用の設定を切り替えるといった使い方がしやすく、競技とコンテンツ制作を両立したいプレイヤーにも向いています。
60%レイアウトに慣れてしまえば、机の上が広く使えるため、マウスパッドの端までフリックするプレイスタイルでもストレスを感じにくくなります。
ゲーム中にファンクションキーやテンキーをほとんど使わないプレイヤーなら、60HE+は最有力候補になるでしょう。
Wooting 80HEはどんな人向けか
WOOTINGのもうひとつのラインナップ「80HE」は、テンキーレスに近い配列を採用したラピッドトリガー搭載キーボードです。
60HE+と同じアナログスイッチを採用しつつ、ファンクションキーや矢印キーを物理キーとして備えています。
VALORANTをプレイしながらチャットやショートカットキーを多用する読者や、日常のタイピング作業も1台でこなしたいユーザーには80HEが適しています。
ストリーマーのように、配信ソフトや音量調整にショートカットを割り当てる場合も、独立キーが多い80HEの方が扱いやすいと感じるはずです。
サイズは60HE+より大きくなるため、マウスの可動域はやや狭くなります。
ただし、よくあるテンキーレスと比べるととてもコンパクトで、机の奥行きが広くない環境でも運用しやすいバランスになっています。
ゲーム性能という観点では、60HE+との大きな差はありません。
どちらもラピッドトリガーとアナログ入力に対応しているため、ストッピングや細かな移動入力の精度は同じクラスと考えて問題ありません。
60HE+か80HEかで迷う場合は、「机の横幅」と「ゲーム以外でどれくらいキーボードを使うか」を基準にすると判断しやすくなります。
デスクスペースを最優先するなら60HE+、作業も含めた汎用性の高さを取るなら80HEという選び方がおすすめです。
ただし、Wootingのキーボードはどれも英語配列なことには留意しておきましょう。日本語配列に慣れたユーザーの場合はあらためて英語配列に慣れる必要があります。
他ブランドのラピッドトリガーとの違い

では、他ブランドのラピッドトリガーと比較してWootingは一体どこが優れているのでしょうか?
Razer Huntsman V3 ProシリーズやSteelSeries Apex Proシリーズなど、ラピッドトリガー搭載のキーボードは年々増えています。
これらのモデルもアクチュエーションポイントの調整や高速な入力に対応しており、VALORANT向けとしてとても実戦投入しやすい性能です。
ただし、WOOTINGシリーズは磁気センサー対応で、物理的な接点を持たないため耐久性が高いという特徴があります。磁気センサーは構造上チャタリングを起こしにくいという特徴もあります。
また、WOOTINGシリーズには「タキオンモード」という競技向けの機能が搭載されており、8,000Hzのポーリングレートや入力遅延を0.125msにまで抑えた性能に切り替えることができます。(タキオンモードを有効にすることでRGBライティング機能などは一部犠牲になりますが、競技シーンでは全く問題ないでしょう)
さらに、競技シーンでの使用率が高いという事実自体も、チームでセットアップを共有しやすいというメリットにもなっているようです。
コーチやアナリストがWOOTING前提で設定を用意しているケースも増えており、チームでデバイスを揃えるというメリットも少なからずあるようです。
最近ではVALORANTの配信などでキーボードのことを「キーボード」ではなく「ウーティン」と呼称する人も増えているようです。それほど、VALORANTでのWOOTINGシリーズの存在感は大きくなっているようです。
ラピッドトリガー対応であれば、どのキーボードでも高い効果は期待できると考えられますが、そのうえで、競技シーンでの実績やタキオンモードなどの性能を含めて評価すると、現状はWOOTINGシリーズが1歩リードしていると判断できます。
まとめ

最後に、本記事の要点を整理します。
- VALORANTの競技シーンでは、ラピッドトリガー搭載キーボードが標準装備に近い存在になっている
- なかでもWOOTING 60HE+と80HEはプロ使用率が高く、実績とカスタマイズ性のバランスが優れている
- 60HE+はデスクスペースを広く使いたいプレイヤーや、ゲーム特化の環境を作りたいユーザーに最適
- 80HEはチャットや作業も1台でこなしたい読者や、独立キーを多く使うストリーマーに向いている
- 他ブランドのラピッドトリガー搭載キーボードも候補になるが、アナログ入力と競技シーンでの実績まで考えるとWOOTINGシリーズが有力
VALORANTのパフォーマンスを底上げしたい読者は、まずはWOOTING 60HE+と80HEを基本としてチェックして、自分の机の広さやプレイスタイルに合う方を候補に入れてみてください。
そのうえで、予算やデザインの好みも含めて他社製のキーボードも比較検討しながら吟味すれば、納得感の高いキーボード選びができるはずです。



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