FPSゲーム用のデバイスを揃える時に「FPSのキーボードはなんでもいい」という意見をよく目にすると思います。
確かにFPSでは、エイムに直接関わるデバイスではないことから、キーボードは軽視されがちです。
「動けば十分」「安いもので問題ない」といった意見も珍しくありませんし、実際に適当なキーボードでAPEXのマスターやVALORANTのイモータルに到達される方も多くおられます。
しかし、最近FPSを始めた人がこの言葉をそのまま受け取ってしまうと、意外な落とし穴にハマる可能性があります。
そこで本記事では、「FPSのキーボードはなんでもいい」と言われる理由を整理し、FPSにおけるデバイスの優先順位と、キーボード選びで最低限知っておきたいポイントを解説します。
FPSにおけるデバイスの優先順位

FPSにおけるデバイスの優先順位については多くの人が、
PC性能 > ネットワーク環境 > マウス・マウスパッド > モニター > キーボード > オーディオ
という順番を挙げています。実際、私もこの考え方は概ね正しいと感じています。
まずPC性能やネットワーク環境は、ゲームを快適にプレイするための土台となる部分です。フレームレートが不安定だったり、回線遅延が大きかったりすると、どれだけデバイスを整えても本来のパフォーマンスは発揮できません。
その次に重要視されるのが、エイム操作に直結するマウスとマウスパッド、そして敵の動きを視認するためのモニターです。これらはプレイに直接影響し、実際に効果を体感できるため、多くのプレイヤーが優先して投資するデバイスです。
その一方で、キーボードやオーディオは後回しにされがちなデバイスです。
なぜキーボードが後回しにされるのか

FPSにおいてキーボードが後回しにされやすい理由は、その性能がゲームに与える影響がイメージしにくいからです。
例えばマウスはエイム操作そのものを担うデバイスであり、センサー性能や重量、形状の違いによってエイムのしやすさが大きく変わります。またモニターも、リフレッシュレートや応答速度によって敵の見え方が変わるため、性能差を体感しやすいデバイスです。
一方でキーボードは、基本的には移動やスキル入力のためのデバイスです。どのキーボードでもWASDで移動できるため、「ゲームができるかどうか」という観点だけで見れば大きな差を感じにくいのが実情です。
そのため多くのプレイヤーは、キーボードは後回しでいいという考え方になりやすく、結果として「FPSのキーボードはなんでもいい」という意見が出るようになりました。
さらに、この言葉が広まった背景には、もうひとつ理由があります。それがFPS文化のルーツでもある、CS系タイトルの操作特性です。
CS:GO世代は逆キーストッピングが自然にできる

CS:GOやCS2を長くプレイしてきたプレイヤーは、逆キーストッピング(カウンターストレイフ)を無意識に使っています。
逆キーストッピングとは「Aで左に移動 → Dを押して止まる」というように、反対キーを入力して瞬時に移動を止めるテクニックです。
この操作はCSシリーズでは基本テクニックとして広く使われており、経験者にとってはほぼ反射的な操作になっています。
そして、この操作方法だとキーボード性能の影響を受けにくいという特徴があります。
なぜなら、逆キーストッピングは
・キーを離すタイミングに依存しない
・反対キー入力で強制的にストップする
という仕組みだからです。
その結果、CS:GO世代のプレイヤーにとっては
「キーボードは普通のもので問題ない」
「正直そこまで差は出ない」
という感覚になりやすく、これが「FPSのキーボードはなんでもいい」という意見の広まりにつながった側面があります。
現在はCS:GO世代もラピトリ搭載キーボードの使用が主流になりつつある

ただし現在のFPS環境では、この状況も少し変わり始めています。
近年はRapid Trigger(ラピッドトリガー)を搭載したキーボードが普及し、VALORANTやCS系プレイヤーの間でも使用者が急増しています。
ラピッドトリガーはキーのリセット位置を固定せず、指を戻し始めた瞬間に入力を解除する仕組みで、従来のキーボードよりも素早く入力のオン・オフを切り替えることができます。
特にVALORANTやCS系タイトルではストッピング精度に直接影響する要素とされており、競技シーンでも急速に普及しています。
実際、プロプレイヤーのデバイス調査では約68%がラピッドトリガー対応キーボードを使用しているというデータもあります。
つまり現在のFPS環境では、
昔:キーボードは大きな差が出にくい ⇒ 現在:キーボードの入力特性がプレイに影響するケースが増えている
という状況に変化してきています。
そのため「FPSのキーボードはなんでもいい」という言葉は、CS:GO時代の感覚としては正しい面もあるものの、現在のデバイス環境ではやや古い考え方になりつつあると言えるでしょう。
離しストッピングの優位性

ラピッドトリガーの登場によって注目されるようになったのが、「離しストッピング」という考え方です。
従来のFPSでは、移動を止める際に「逆キー入力」でストップする逆キーストッピング(カウンターストレイフ)が基本とされてきました。
しかしラピッドトリガー搭載キーボードでは、キーを離した瞬間に入力がリセットされるため、キーを離すだけでも非常に速く止まることができます。
つまり、
従来:Aで移動 → Dを押して止める ⇒ ラピッドトリガー環境:Aで移動 → Aを離すだけで止まる
という操作が成立します。
この「離しストッピング」にはいくつかの利点があります。
まず、入力がシンプルになることです。逆キー入力が不要になるため、指の動きが少なくなり操作が直感的になります。
次に、入力ミスが減ることです。逆キーを押す場合、タイミングがズレると反対方向に動いてしまうことがありますが、離すだけの操作であればそのリスクが小さくなります。
さらに、細かいストレーフ調整がしやすいという点もあります。ピークやフェイントのような短い移動では、キーを離す操作のほうが細かいコントロールをしやすい場面があります。
このようにラピッドトリガー環境では、従来の逆キーストレーフとは異なる操作感が生まれており、キーボードの入力特性が操作性に影響する場面が以前より増えていると言えます。
特に最近FPSを始めた層は逆キーストッピングよりもラピッドトリガーキーボードを使用した離しストッピングのほうが直感的な操作が可能になります。
FPSにおすすめのキーボード
最後に、FPSにおすすめのラピッドトリガー機能搭載キーボードの中からオススメの商品をいくつか紹介します。
Wooting 60HE+

Wooting 60HE+は、磁気式(ホールエフェクト)スイッチを採用した60%サイズのゲーミングキーボードです。
ラピッドトリガーやアクチュエーションポイント調整に対応し、キーの入力タイミングを細かく制御できるため、VALORANTなどのFPSで高い評価を受けています。
さらにタキオンモードという競技シーンを想定した超低遅延モードも搭載されています。
実際にVALORANTの競技シーンではデファクトスタンダートとなっており、6割近いプレイヤーがWooting製のキーボードを使用されています。

東プレ REALFORCE GX1

東プレ REALFORCE GX1は、静電容量無接点方式の「Topreスイッチ」を採用したテンキーレスのゲーミングキーボードです。
アクチュエーションポイントを調整できるAPC機能や高速入力を可能にするダイナミックモードを搭載し、快適な打鍵感と高い耐久性を両立しています。(さらにアップデートによって現在はラピッドトリガーにも対応しています)
レディアント常連のネオポルテ所属VTuber「麻倉シノ」さんも愛用されているキーボードです。

MonsGeek FUN68 HE

MonsGeek FUN68 HEは、ホールエフェクト(磁気式)スイッチを採用した68キーのコンパクトゲーミングキーボードです。
ラピッドトリガーやアクチュエーションポイント調整に対応し、最大8Kポーリングレートによる高速入力が可能で、FPS向けの高い応答性能を備えています。
8,000円台という手にしやすい価格も魅力で、ラピッドトリガー対応キーボードの使い心地を試してみたいという人にもおすすめのキーボードです。

まとめ

本記事では「FPSのキーボードはなんでもいい」と言われる理由を整理し、FPSにおけるデバイスの優先順位と、キーボード選びで最低限知っておきたいポイントを解説しました。
本記事の要点は以下のとおりです。
- FPS用デバイスにおけるキーボードの優先順位は低め
- 特に逆キーストッピングが身についているCS:GO世代はラピッドトリガーの恩恵を感じにくい(ただしその状況も変わりつつある)
- 離しストッピングは逆キーストッピングと比較して操作ミスのリスクが少ない
- これからFPSを始める人にはラピッドトリガー対応のゲーミングキーボードがおすすめ
以上。本記事の内容が少しでもFPS用キーボード選びで悩んでいる方の参考になりましたら嬉しいです。


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